はじめに
Excelで複数の空白セルを同じ値で埋めたいとき、どうしていますか。
範囲選択し、値を入力。そのあと「Ctrl+Enter」
●隣り合っていないセルの場合
Ctrl(MacはCmd)を押したまま、選択したいセルを連続してクリックし、値を入力。そのあと「Ctrl+Enter」
この2つはよく知られています。
しかし、空白セルの数が多かったりデータ量が大きい場合、これらだと手間がかかり、選択モレの可能性もあります。
そんなときは、「ジャンプ機能」で一括入力すれば解決できます。
この記事では、そのやり方や注意点について解説していきます。
もくじ
① 「ジャンプ機能」で空白セルに一括入力する方法
ジャンプ機能は、特定のセルを絞り込んでジャンプする(選択する)ことができます。
この機能を使って空白セルを絞り込んでジャンプし、同じ値を一括入力していきましょう。
【STEP1】範囲を選択する
空白セルに同じ値を入力したい範囲をガバッと選択します。
空白セル以外があっても大丈夫です。
【STEP2】ジャンプ機能を開く
ショートカットキー「Ctrl+G」もしくは「F5」でジャンプ機能を開きます。
もうひとつのやり方として、リボンにある「検索と選択」から進む方法もあります。
まず、ホームタブのリボンにある「検索と選択」を選びます。
すると「検索と選択」ダイアログボックスが表示されるので、「ジャンプ」を選択します。
【STEP3】「セル選択」から「空白セル」を選択
「ジャンプ」ダイアログボックスが表示されるので、「セル選択」ボタンをクリックします。
Windows版のショートカットキーは「Alt+S」です。
すると「選択オプション」ダイアログボックスが表示されるので、「空白」を選択します。
Windows版のショートカットキーは「Alt+K」です。
まず、ホームタブのリボンにある「検索と選択」を選びます。
「検索と選択」ダイアログボックスが表示されるので、「条件を選択してジャンプ(Macなら「選択オプション」)」を選択します。
すると「選択オプション」ダイアログボックスが表示されます。
ここで「空白」を選択すればOK!
私はいつもこちらを使っています。
【STEP4】空白セルを確認し、値を入力
【STEP3】で「空白」を選択すると、空白セルがハイライト表示(グレー)されます。
値を入力したい空白セルに過不足がないか、確認しておきましょう。
過不足があった場合は、【STEP1】の範囲選択からやり直します。
空白セルのうち1つだけアクティブ状態になっていますので、そちらに値を入力します。
入力後に「Enter」を押さないこと!
【STEP5】「Ctrl+Enter」で終わり
【STEP4】で値を入力したら、「Ctrl+Enter」を押します。
一瞬で、空白セルに一括入力されます。
これで終わりです。お疲れさまでした。
【注意点1】空白セルの定義について
ジャンプ機能で一括入力する方法でいうところの「空白セル」とは、データが何も入っていない「空っぽ」のセルのことです。
- 数式で空白を返しているセル
- スペースや特殊文字が入力されているセル
のような、「一見空白に見えるけれど、実際にはデータがあるセル」は含まれません。
「ここも空白セルなのに、一括入力されない!」というときは、なにかデータが入っていないか確認してみてください。
【注意点2】範囲選択を忘れたらどうなる
「【STEP1】範囲を選択する」をしなかった場合、基本的にシート全体が範囲となります。
ちなみに、Excelがデータの密度やフォーマットを自動的に判断して、表の中やユーザの求める範囲内に限定することもありますが、この判断機能は常に意図したとおりになるわけではないため、これを頼りにするのはリスクがあります。
そのため、必ず【STEP1】で範囲を選択すること、また【STEP4】でハイライト表示される空白セルを確認すること。
この2つをきちんと行うことが、正しい一括入力のカギとなります。
【もうひとつのやり方】「置換機能」で一括入力する方法と注意点
空白セルに一括入力する方法として、「ジャンプ機能」以外に「置換機能」を使って行う方法もあります。
置換機能で一括入力する方法における空白セルの定義は、「空っぽのセル」プラス「一見空白に見えるセル」です。
つまり、先ほど「【注意点1】空白セルの定義について」でご説明した、ジャンプ機能における定義と異なります。
ただし、Excelが「一見空白に見えるセル」を「空っぽのセル」と異なるものだと自動的に判断し、ジャンプ機能のように除外することもありますが、この機能は常に意図したとおりになるわけではありません。
空白セルが2種類ある場合、注意が必要です。
注意点を踏まえつつ、手順をご説明します。
【STEP1】範囲を選択する
空白セルに同じ値を入力したい範囲をガバッと選択します。
空白セル以外があっても大丈夫です。
【STEP2】置換機能を開く
ショートカットキー「Ctrl+H」で置換機能を開きます。
もうひとつのやり方として、リボンにある「検索と選択」から進む方法もあります。
まず、ホームタブのリボンにある「検索と選択」を選びます。
すると「検索と選択」ダイアログボックスが表示されるので、「置換」を選択します。
【STEP3】「置換」タブを選択
「検索と置換」ダイアログボックスが表示されるので、「置換」タブを選択します。
【STEP4】文字列ボックスに入力する
「検索する文字列」:何も入力しません(検索してほしいのは空白セルのため)。
「置換後の文字列」:空白セルに入力したい値を入力します。
【STEP5】「すべて置換」ボタンをクリックして終わり
【STEP4】で値を入力したら、「すべて置換」ボタンをクリックします。
一瞬で、空白セルに一括入力されます。
「検索と置換」ダイアログボックスを「閉じる」ボタンで閉じれば終了です。
お疲れさまでした。
手順でわかるように、置換機能で一括入力する方法の場合、実行前に対象となる空白セルの明示がありません。
つまり、実行するまで、どの空白セルに値が入力されるかわからないということです。
「【STEP1】範囲を選択する」をしなかった場合は、基本的にシート全体が範囲となります。
Excelがデータの密度やフォーマットを自動的に判断して、表の中やユーザの求める範囲内に限定することもありますが、この判断機能は常に意図したとおりになるわけではありません。
この点は、ジャンプ機能を使ったやり方と同じです。
ジャンプ機能と置換機能のちがいと考察
前項でも注意点として挙げていますが、改めて空白セルに一括入力する方法における2つの違いをまとめます。
ジャンプ機能を使ったやり方 | 置換機能を使ったやり方 | |
---|---|---|
「空白セル」の定義 | データが何も入っていない「空っぽ」のセル | データが何も入っていない「空っぽ」のセル +(プラス) ・数式で空白を返しているセル ・スペースや特殊文字が入力されているセル を含む、一見空白に見えるセル (Excelの自動判断で空っぽのセルに限定することもあるが、完全ではない) |
実行前の空白セルの明示 | ハイライト表示あり | なし |
範囲選択を忘れたら | 基本的にシート全体が範囲となる (Excelの自動判断で範囲を限定することもあるが、完全ではない) | 基本的にシート全体が範囲となる (Excelの自動判断で範囲を限定することもあるが、完全ではない) |
今回のお題「複数の空白セルに同じ値を一括入力する」場合には、置換機能よりもジャンプ機能のほうが、直感的で正確に行えるのではないでしょうか。
ただし、特定のシナリオでは置換機能が有効な場合もあるので、ケースに応じて使い分けるのが理想的です。
まとめ
Excelで、複数の空白セルに同じ数字や文字を一括入力するときは、「ジャンプ機能」を使いましょう。
そして、ここでいう「空白セル」とは、データが何も入っていない空っぽのセルで、一見空白に見えるけれど、実際にはデータがあるセルは含まれません。
ジャンプと置換、どちらも状況に応じて使い分けし、効率的なExcel使いになりましょう!
他の方が作成したExcelの場合、全貌がわかっておらず空白セルを探すだけでひと苦労です。
選択モレがあったらさらに苦労します。