AffinityのiPad版が登場(描く・図形・写真・ページを1つのファイルで。個人は無料、入れる前に確かめる4つ)

iPad用Affinityの発表(KAKERU AI NEWS)

打ち合わせの途中でロゴの案を描き、帰りの電車で写真を直し、そのままチラシの形にまとめる。こうした作業は、これまでiPadでは描く・図形を作る・写真を直す・ページを組むで別々のアプリを使い分けるのがふつうでした。Canvaは11月3日、デザインソフト「Affinity」のiPad版を出しました。

iPad版は、パソコン版と同じく1つのアプリ・1つのファイルの中で、スケッチから印刷用のデータまで作れるのが特徴です。App Storeで公開されていて、個人なら主なツールは無料で使えます。

この記事の要点

  • Canvaが11月3日、デザインソフト「Affinity」のiPad版を公開した。描く・図形・写真・ページを1つのファイルで扱える
  • iPadで絵やデザイン、チラシや冊子を作る人に関係する。個人は無料で、AIの機能だけCanvaのプレミアムプランが必要
  • 入れる前に、手元のiPadの対応・iPadにまだない機能・ほかのソフトのファイルの崩れ方を確かめておく
トミー

パソコン版のAffinityが、写真・デザイン・レイアウトの3つのアプリから1つにまとまったのが約1年前。今回は「iPadでも同じファイルの続きができる」という話です。外で手を動かすことが多い人ほど関係があります。

何が発表された?

Canvaの発表によると、iPad版のAffinityはApple Pencilとタッチ操作のために作られたアプリで、パソコン版と同じプロ向けの道具をiPadに持ってきたものです。スケッチ・ベクター(図形)・写真・レイアウトの作業が、すべて1つの.af(エーエフ)ファイルの中に入ります。

お金の線もはっきり書かれています。スケッチ・ベクター・ピクセル・レイアウトの主なツールは、個人なら無料。画像を広げたりノイズを減らしたりする「Canva AIスタジオ」は、Canvaのプレミアムプランの人が使えます。アプリを使うには、無料のCanvaアカウントが必要です。

発表文では、パソコン版でAffinityが1つにまとまってから約1年で登録が700万を超えたこと、そしてiPad版がコミュニティからいちばん多く求められていたことも紹介されています。

1つの.afファイルでスケッチから印刷用のデータまで作れるiPad用Affinity
1つの.afファイルでスケッチから印刷用のデータまで作れるiPad用Affinity

これまでと何が違う?

発表文は、iPadで本格的な制作を仕上げようとすると「スケッチは1つ目のアプリ、図形は2つ目、写真の直しは3つ目、ページの組み立ては4つ目」になりがちだと書いています。アプリを渡すたびに時間がかかり、質や勢いにも響く、という問題です。

iPad版のAffinityは、この受け渡しをなくします。最初の手描きの線を、同じファイルの中でそのまま図形にし、写真を重ね、ページに組んで、書き出しやアプリの切り替えなしに印刷用のファイルまで進められる、というのが今回の一番の違いです。

もう1つは、パソコン版と同じ.afファイルで作業できることです。Affinityの公式サイトのよくある質問では、デバイスをまたいで同じ.afファイルを使えると説明しています。

何ができるようになった?

発表文と公式サイトで紹介されている主な機能は、次のとおりです。

  • スケッチ:Apple Pencilの筆圧や傾きが線に出るスケッチ用の画面。公式サイトによると、ブラシは350本以上
  • Sketch to Shapes:手で描いた形を、きれいで直せる図形に変える。そこからロゴやアイコンの細かい線の調整へ進める
  • 写真:RAWの調整、選択、合成。新しいマスクツールは、Apple Pencilでなぞると境目に沿って動き、髪の毛や毛並み、葉っぱの切り抜きが短い時間でできると書かれている
  • レイアウト:文章と画像が複数ページに流れるレイアウト。マスターページとグリッドでそろえ、色の扱いも整えた印刷用のファイルにできる
  • Apple Pencilの操作:筆圧・傾き・バレルロール(ペンを回す動き)・スクイーズ(握る動き)・ホバーに対応

ほかのソフトのファイルについては、公式サイトでPSD・AI・INDD・IDML・PDF・SVGなどを、レイヤーや構造を保ったまま読み込めると説明しています。書き出しはJPEG・PNG・WebP・PDF・SVG・EPUB・INDDに対応し、Canvaへ直接書き出すこともできます。

AIの機能は、プレミアムプランで

Canva AIスタジオでは、画像の外側を広げる(Generative Expand)、解像度の低い画像を大きくする、写真のぶれやノイズを減らす、1枚の画像を直せるレイヤーに分ける(Decompose Layer)といったことができます。どれくらい効かせるかは、つまみで調整できると書かれています。

トミー

「AIで全部作る」のではなく、背景のノイズ取りや切り抜きのような面倒な作業だけをAIに任せる考え方です。デザインの判断は人に残る作りになっています。

仕事ではどう使えそう?

打ち合わせで描いたロゴの案を、そのまま形にする

お客様との打ち合わせで描いたラフを、事務所に戻ってから描き直すのは手間です。iPad版なら、その場のスケッチをSketch to Shapesで図形にして、同じファイルのまま形を整えていけます。

撮影の現場で、写真を選んで仮の合成まで

発表文は、撮影の現場や移動中にRAWの調整や合成を進める使い方を挙げています。商品写真の背景を仮に差しかえて、その場で関係者に見てもらう、といった確認に向いています。

チラシや小さな冊子の組み立て

マスターページとグリッドを使った複数ページのレイアウトができるので、店舗のチラシや数ページの案内冊子なら、iPadで印刷用のファイルまで進められます。ただし、パソコン版の「書籍」の機能は、発表の時点でiPad版にはありません。

KAKERUならこう使う/使わない

KAKERUなら、外での「最初の一歩」にiPad版を使います。打ち合わせでのロゴのラフ、撮影の現場での写真の選別、チラシの仮の組み立てです。同じ.afファイルをパソコンで開いて続きができるので、外で描いたものを描き直さずに済みます。

反対に、ほかの制作会社から受け取ったIllustratorやInDesignのデータの仕上げには、iPad版を使いません。公式サイトでも、IDMLの表やGREPスタイル、PSDのスマートオブジェクトなどは手直しや統合が必要になる場合があると書かれています。入稿前の最終の確認は、パソコンで元のデータと見比べて行います。

KAKERUの関連サービス

カタログや冊子をPDFで配っている方へ

PDFをスマホでめくれるWebカタログにして、見た人をお問い合わせまでつなぐKAKERU PageFlow。

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トミー

ラフは外で、仕上げは机で。その間を「書き出し・読み込み」なしでつなげるのが、今回いちばん効く所だと見ています。

iPad用Affinityを入れる前に確かめる4つ
iPad用Affinityを入れる前に確かめる4つ

誰が使える?

App Storeの「Affinity by Canva」から入れられます。日本のApp Storeでも無料で公開されていて、日本語に対応しています(11月4日確認)。

Affinityのヘルプ「システム要件」によると、対応するのはiPadOS 18・26・27です。機種は、iPad(第7〜10世代とA16)、iPad mini(第5・6世代とA17 Pro)、iPad Air(第3〜5世代とM2・M3・M4)、iPad Pro(11インチ・12.9インチ・13インチの各世代)が挙げられています。機械学習のツールはMチップのiPadが必要です。

AIの機能に必要なプレミアムプランは、公式サイトでCanvaプロ・Canvaビジネス・Canvaエンタープライズ・Canva教育版と書かれています。会社でシングルサインオン(SSO)を使いたい場合は、Canvaエンタープライズか教育版に問い合わせる形です。

注意点

  • iPadにまだない機能がある:書籍・一括処理・データ結合・クイック調整・情報パネル・スコープパネル・マクロの記録・天体写真スタジオなどは、発表の時点でiPad版にない。追加はリリースノートで知らせるとされている
  • ほかのソフトのファイル:IDMLは表やアンカー付きオブジェクト、Illustratorのファイルは高度な効果、PSDはスマートオブジェクトなどが、手直し・統合・単純化される場合がある
  • AIは別の条件:Canva AIスタジオはプレミアムプランが必要。機械学習のツールはMチップのiPadが必要
  • Canvaアカウントが必要:無料でもCanvaアカウントでのサインインが前提。会社で使うなら、どのアカウントで使うかを先に決める
  • 動きの重さ:ヘルプには、動きの速さはiPadの機種やファイルの大きさ・複雑さで変わると書かれている

まとめ

  • Canvaが11月3日、デザインソフト「Affinity」のiPad版を公開した
  • スケッチ・図形・写真・レイアウトを1つの.afファイルで扱い、印刷用のファイルまで作れる
  • 個人は主なツールが無料。AIの機能はCanvaのプレミアムプランで
  • 日本のApp Storeで無料・日本語対応。iPadOS 18以降
  • 書籍やデータ結合などiPadにまだない機能と、ほかのソフトのファイルの崩れ方は先に確かめる

iPadは「ラフを描く道具」から、「同じファイルで仕上げの手前まで進められる道具」になってきました。まずは手元のiPadが対応しているかを確かめ、外で描いたものを、パソコンでそのまま続けられるかを小さな案件で試してみるのがおすすめです。

参考・情報源

※ 2026年11月4日に確認した内容です。対応機種や機能、提供の範囲は変わることがあります。

ふだんの制作の話や、作ったものの裏側は Instagram と X でも出しています。

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25歳からWEBの世界に携わり、WEBデザインから始めて、今はWEBシステムまで一貫して制作しています。問題点を洗い出し、改善を提案する中で、WEB・グラフィック・動画・システムを縦断して提案するのが得意です。