Canva Brush登場(言葉で頼むとデザインを直すCanvaのAI。プロのプランから、ブランドの色やロゴは人が確かめる)

Canva Brush

「チラシの色だけ、秋っぽく変えたい」「10枚のスライドの見出しを、全部そろえて直したい」。デザインは作るより、直すほうに時間がかかるものです。Canvaは10月30日、デザインを見て、組み立てを理解したうえで直すAIモデル「Canva Brush(ブラシ)」を発表しました。

Brushは、Canva AIの中で今あるデザインを言葉の指示で直すためのモデルです。1行の文章の直しから、資料の全ページの直しまでを受け持ちます。同じ日から、Canvaプロのプランの人が使えるようになっています。

この記事の要点

  • Canvaが10月30日、デザインを見て組み立てを理解し、言葉の指示で直すAIモデル「Canva Brush」を発表した
  • 同じ日からCanvaプロのプランの人がCanva AIで使える。もっと広い提供は「近日」とされている
  • 色の変更や全ページの見出しの直し、SNS用への作り直しに使い、ブランドの色やロゴは人が確かめる
トミー

1週間前の「Canva Craft」が画像を作るAIなら、今回のBrushは「できたデザインを直すAI」です。仕事でCanvaを使う人に関係が深いのは、むしろこちらだと見ています。

何が発表された?

Canvaの発表によると、BrushはCanva Research(Canvaの160人のAI研究チーム)が作った、デザインのための新しいモデルです。発表文では「デザインを見て、どう組み立てられているかを理解し、頼んだ変更を行う」と説明されています。

Canvaは、Brushを1週間前に発表した画像のモデル「Canva Craft」と対で紹介しています。Craftが画像を作り、Brushがそのまわりのデザインを整える、という役割分担です。

数字も出ています。Canvaのこれまでのデザインのエージェントと比べて、一般的なデザインの直しで最大69%速く、直し1回あたりの費用は46%低いとのことです。Canvaの社内テストでは、多くの直しの作業でこれまでと同じか、それ以上の質になり、とくにデザインの雰囲気を変える直しと、別の形に作り変える直しで良い結果だったと書かれています。

Canva Brushがデザインを直すしくみと、Canvaが挙げている使い方
Canva Brushがデザインを直すしくみと、Canvaが挙げている使い方

これまでと何が違う?

発表文は、AIにとってデザインを作るより、直すほうがもっと難しいと説明しています。直すときは、何を変えたいかだけでなく、何をそのまま残すかも分かっていないと、頼んでいない所まで変わってしまうからです。

Brushは、直しを1つずつ切り離して考えるのではなく、自分の作業を見直しながら少しずつ良くしていく作りになっています。裏側では、コードを書いて実行してデザインの要素を動かし、ページの状態を確かめてから次の一手を決める、というくり返し(エージェントのループ)で動いています。

もう1つの違いは、作られたものの扱いです。Brushが作ったものはふつうのCanvaのデザインと同じで、文字・画像・色・配置のすべてを手で直せます。AIに任せた後でも、エディターで人が仕上げられます。

何ができるようになった?

Canvaは、試し方として次の3つを挙げています。

  • 画像の雰囲気を変える:今あるデザインや画像の色づかいや天気、全体の雰囲気を、言葉で伝えて別の方向にする
  • 複数ページをまとめて直す:ページを1枚ずつめくって見出しを直す代わりに、1回の指示で全体を直す
  • 別の場所向けに作り変える:たとえばプレゼンのスライドを、Instagram用の画像の大きさに作り変える

使い方は、エディターで今あるデザインを開くか、Canva AIにデザインを添付・リンクします。直し全体をBrushに任せるには、Canva AIのドロップダウンの一覧から「Brush」を選ぶと書かれています。そのあとは、Canva AIに続けて指示してもよいですし、いつでもエディターに切りかえて手で直せます。

「良いデザイン」の基準はだれが決めた?

発表文によると、Brushは重みが公開されている有力なモデルをもとに、実際のデザインと直しの作業で追加の学習をしています。そのうえで、大きな規模の強化学習で、デザインと直しの作業を最後までやり通し、うまくいった所から学ぶ形をとっています。

学習の採点では、見た目の質・レイアウトがデザインの原則に沿っているか・頼まれたとおりに作業を終えたかなどを見ています。そして、何を「良い」とするかの基準は、Canvaのチームの現役のデザイナーが決めている、と書かれています。

トミー

「良いデザイン」の基準をデザイナーが決めている、というのは大事な所です。とはいえ、その基準が自社のブランドの決まりと同じとは限りません。そこは使う側が見る所です。

仕事ではどう使えそう?

季節ごとのチラシやバナーの色がえ

お店や会社の告知物は、中身は同じで季節に合わせて色や雰囲気だけ変える、ということがよくあります。「この秋のチラシを、冬らしい色づかいに」と頼めば、配置や文字はそのままで雰囲気だけを変える、という直しがBrushの得意な所に当たります。

10枚以上の資料の見出しをそろえる

社内の説明資料で「見出しの言い方を全部そろえたい」「全ページの見出しの色を変えたい」となると、1枚ずつ直すのは手間です。発表文が例に挙げている複数ページをまとめて直す使い方で、この手間を減らせます。

説明会のスライドをSNS用に作り変える

セミナーや説明会で使ったスライドを、Instagramの投稿にも使い回したい場面です。CanvaはスライドをInstagram用の画像に作り変える例を挙げています。大きさを変えるだけでなく、新しい形に合わせて配置を組み直す直しが対象です。

KAKERUならこう使う/使わない

KAKERUなら、形が決まったデザインの「展開」にBrushを使います。たとえば、1つのバナーをもとにした色ちがい・大きさちがいの案出しや、資料の見出しの一括の直しです。どれも、もとのデザインを人が決めたあとの作業なので、AIに任せても方向がずれにくい所です。

反対に、ロゴやブランドの色が大事な制作物の仕上げには、今の段階では使いません。発表文で、ブランドキットへの対応はまだ開発中と書かれているためです。決まった色やフォントを守る所は、人がエディターで確かめて仕上げます。

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資料づくりにClaudeを使っている方へ

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トミー

「AIに全部作らせる」より「人が決めた型を、AIに展開させる」ほうが、仕事では失敗が少ないと感じています。Brushはその使い方に合う道具です。

Canva Brushを使える人と、まだ開発中のこと
Canva Brushを使える人と、まだ開発中のこと

誰が使える?

10月30日の時点で、BrushはCanvaプロのプランの人が、Canva AIの中の対応している直しで使えます。もっと広い提供は「近日」とされていて、ほかのプランへいつ広がるかは、発表文には書かれていません。

発表文には、地域や言語の制限は書かれていません。日本語の指示でどこまで思いどおりに直せるかは、公式には書かれていないので、まずは小さなデザインで試して確かめるのが安全です。

注意点

  • 最初の版である:Canvaは「これはBrushの最初の版」としていて、ブランドキットへの対応・添付ファイルの参照・画像の多いレイアウトの扱いの改善は、これから取り組むと書いている
  • 対応している直しから:Brushが受け持つのは「対応している直し」とされている。すべての直しがBrushで動くわけではない
  • プロのプランから:無料プランやほかのプランでいつ使えるかは、発表文に書かれていない
  • 学習のデータ:Brushは重みが公開されている有力なモデルをもとに、デザインの専門知識と、Canva AIの改善に協力すると選んだ人の匿名化された情報で追加の学習をしている。会社で使うなら、Canva AIの改善への協力の設定を確かめておく
  • 仕上げは人が見る:頼んでいない所が変わっていないか、文字の誤りや色のずれがないかは、公開や印刷の前に人が確かめる

まとめ

  • Canvaが、デザインを見て組み立てを理解し、言葉で直すAIモデル「Canva Brush」を発表した
  • これまでの仕組みと比べて最大69%速く、直し1回あたりの費用は46%低い
  • 使い方の例は雰囲気を変える・複数ページをまとめて直す・別の形に作り変える
  • 10月30日からCanvaプロのプランで使える。もっと広い提供は「近日」
  • ブランドキットへの対応はまだ開発中。ブランドの色やロゴは人が確かめる

Craftで画像を作り、Brushで直す。Canvaの中で「作る」と「直す」の両方をAIが受け持つ形が見えてきました。まずは手元の小さなバナーや資料で、どこまでBrushに任せて、どこから人が仕上げるかの線を確かめてみるのがおすすめです。

参考・情報源

※ 2026年10月30日に確認した内容です。提供の範囲や画面の名前は変わることがあります。

ふだんの制作の話や、作ったものの裏側は Instagram と X でも出しています。

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Canva Brush

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ABOUTこの記事をかいた人

25歳からWEBの世界に携わり、WEBデザインから始めて、今はWEBシステムまで一貫して制作しています。問題点を洗い出し、改善を提案する中で、WEB・グラフィック・動画・システムを縦断して提案するのが得意です。