スマホで遊べる小さなゲームを作りました。画面をタップして「スタート!」から8秒ぴったりだと思ったところで、もう一度タップする。それだけのゲームです。会社の仕事として受けたものではなく、勉強を兼ねた自主制作です。
なぜこれを作ったのか、どこに時間をかけたのかを書いておきます。
ストップウォッチでは、もったいなかった
きっかけは、ある展示会の企画でした。「8秒を当てる」という遊びがあって、これは面白い企画だなと思ったんです。
誰でもできるし、道具もいらない。年齢も関係ない。
ただ、それをストップウォッチで計ると聞いて、少し引っかかりました。ストップウォッチは正確ですが、あれを押した瞬間に「遊び」ではなく「測定」になってしまう気がしたんです。数字は出るけれど、心は動かない。
しかもその場に来るのは、親子連れが多い。子どもが自分から「やりたい」と言い出さないと、ブースは盛り上がりません。企画そのものは面白いのに、道具のせいで半分の力しか出ていない。そう思ったのが出発点でした。

ねこが3秒だけ、一緒に数える
いちばん悩んだのは、8秒をどう数えてもらうかでした。
最初から最後までねこが数えてくれると、ただ待って押すだけになります。簡単すぎて、当たっても嬉しくない。かといって全部自分で数えると、合っているのか分からないまま8秒待つことになって、楽しいというより不安なだけでした。
試した結果、ねこが3秒まで一緒に数えて、そこから先は自分という形に落ち着きました。途中で手を離されるから、残りの5秒が自分の時間になる。ここでようやく遊びになりました。


判定は、8秒との差が0.2秒以内なら「ぴったり!」、0.6秒以内なら「おしい!」にしています。厳しすぎると誰も成功しないし、甘すぎると全員成功して盛り上がらない。何度も自分で遊んでみて決めた数字です。
キャラクターと吹き出しに、いちばん時間をかけました
ゲームの仕組み自体は単純です。だからこそ、見た目と言葉で決まると思いました。

ねこの表情は、結果によって変えています。ぴったりのときは笑い、外れたときは少し困った顔になる。当たり外れを数字だけで伝えると、外したときにただ落ち込んで終わってしまいます。ねこが困った顔をしてくれると、もう一回やろうかなと思える。
言葉も「正解」「不正解」ではなく、「ぴったり!」「おしい!」「はやい!」「おそい!」にしました。20秒たっても押されないと、ねこは寝てしまいます。間違えた人を責めない言葉づかいは、最後まで気をつけたところです。
音がないと、8秒は長い
作っていて意外だったのが、音の重さでした。
無音で8秒待つと、体感はかなり長く感じます。手持ち無沙汰になって、集中も切れる。そこでBGMと効果音を入れました。ねこが数える1秒ごとに音が鳴り、3秒目だけ少し高い音にしてあります。「ここから自分だよ」を、言葉ではなく音で伝えたかったからです。
そのうえで、数えている間だけBGMの音量を下げる処理を入れました。ずっと同じ音量で鳴っていると、肝心の数える音が埋もれてしまう。盛り上げるために足した音を、集中してほしい場面では自分で引く。ここは足すより難しい判断でした。

効果音は、タップ・カウント・ぴったり・おしい・はやい・おそいで、それぞれ別にしています。
目をつぶっていても、結果が分かるようにしたかったので。
ブースに置くことだけを考えた作り
展示会で使うことを前提にしたので、その場所ならではの条件から逆算しました。
まず、説明する人がいなくても成立すること。手が空いていないときでも、置いてあるだけで遊べる必要があります。だから最初の画面は「画面をタップしてスタート」だけにしました。
次に、放置されても止まらないこと。結果の画面が出たまま12秒たつと、自動で最初の画面に戻ります。前の人の結果が残っていると、次の人が触りにくい。行列ができる場所では、これが地味に効きます。
音のオン・オフと全画面のボタンも、画面の隅に置いてあります。会場がうるさいとき、逆に静かにしたいとき、その場で切り替えられるように。「きょう ぴったり◯/◯回」という記録も出るので、何人かで挑戦したときに盛り上がります。
作って終わりにしない
最後に、アクセス解析を入れました。
何人が遊んだのか、そのうち何回がぴったりだったのか。これが分からないと、来年またやるべきかどうかを判断できません。「なんとなく盛り上がった気がする」では、次につながらないと思っています。
作ることと同じくらい、何人に届いたかを数えられる状態にすることまでが仕事だと考えています。ゲームでも、Webサイトでも、そこは変わりません。
足を止めてもらったあと、何を渡すか
展示会でいちばん難しいのは、ブースの前を通る人に足を止めてもらうことです。そして足を止めてもらったあと、何を渡すかも同じくらい難しい。紙のカタログは重いし、その場では読まれず、持ち帰っても多くは捨てられてしまいます。
ゲームで足を止めてもらって、その流れでQRコードからWebカタログを見てもらう。荷物にならないし、あとからスマホで見返せる。KAKERUデザインでは、PDFをそのままWebカタログにする仕組みも自社で作っているので、こういう組み合わせのご相談にも対応できます。
大がかりな仕掛けでなくても、8秒あれば足は止まります。
展示会やイベントで何かできないかとお考えでしたら、お気軽にご相談ください。


















0.2秒って、意外と当たります。
でも「当たりそうで当たらない」ぐらいがちょうど良くて、そこを探すのに一番時間を使いました。