Google Workspaceの中で決まった仕事を自動で動かす「Workspace Studio」に、自分で作った「きっかけ」と「手順」、SlackやSalesforceなどの外部サービス、Webhook(ウェブフック。外部のサービスにデータを送って処理を動かす仕組み)を組み込めるようになります。Google Workspaceの公式ブログで2026年9月17日に案内されました。
先に結論を書くと、これまでGoogleが用意した部品の中だけで組んでいた自動化が、Googleの外にあるツールとつながるようになります。ただし、どれも初期設定はオフで、会社の管理者が有効にしないと使えません。
この記事は、Google Workspaceを会社で使っていて、「毎回同じ手作業」を減らしたい人向けです。公式ブログと公式ヘルプで確認できたことだけを使って、何が増えるのか、誰が使えるのか、始める前に確かめることを整理します。
そもそも、Workspace Studioとは
Workspace Studioは、2025年12月にGoogleが提供を始めた仕組みで、公式ブログでは「コードを書かずに、Workspaceの仕事を自動化するAIエージェントを作り、管理し、共有する場所」と説明されています。studio.workspace.google.com から使います。
自動化のひとまとまりを「フロー」と呼びます。公式ヘルプによると、フローは「きっかけ(Starter)」1つと、そのあとに続く「手順(Step)」でできています。
- きっかけ:特定の人からメールが来たら/毎週月曜の9時に、など。フロー1つにつき1つ
- 手順:Geminiに要点を抜き出させる/返信を下書きする/スプレッドシートに書き足す、など。いくつでも並べられる
公式ブログの例では、「毎週金曜に、進捗表を更新するよう自分に知らせて」のようにやりたいことを言葉で伝えると、Geminiがフローを組み立てるとされています。

何が発表された?|フローに使える部品が4種類増える
Google Workspaceの公式ブログは2026年9月17日、Workspace Studioのフローに次の4つを追加すると案内しました。

提供時期は、管理者向けの設定が9月17日から、利用者向けの機能は9月21日(Rapid Release)/9月30日(Scheduled Release)から順次です。
これまでと何が違う?|Googleの中だけ → 外のツールとも
これまでのフローは、きっかけも手順もGoogleが用意したものから選ぶ形でした。Gmail、カレンダー、Chat、ドライブ、ドキュメント、フォーム、スプレッドシート、Tasks、GeminiといったGoogleのサービスの中で完結する自動化です。
今回の追加で、外部のサービスを「きっかけ」にも「手順」にも使えるようになります。たとえば、Slackに通知を送る、HubSpotの顧客情報を更新する、といった手順をフローの中に入れられます。
| これまで | 2026年9月21日から | |
|---|---|---|
| きっかけ | Googleが用意したもの(メール受信、時刻など) | 自分で作ったもの、外部アプリの出来事も |
| 手順 | Googleのサービス+Gemini | Apps Scriptの処理、外部サービス、Webhookも |
| つながる外部サービス | — | Asana・Confluence・HubSpot・Jira・Mailchimp・QuickBooks・Salesforce・Slack(ベータ) |
何ができるようになった?
外部サービスと、データをやり取りする(ベータ)
公式ブログによると、連携できるのは8つのサービスです。ベータ(試験的な提供)なので、動きが変わることがあります。
Webhookで、外の仕組みを動かす
Webhookは、決めたURLにデータを送って、受け取った側の処理を動かす仕組みです。一覧にないサービスでも、Webhookを受け取れるものならつなげられます。公式ブログによると、送り先のURLを管理者が制限する機能はBusiness Plus以上で使えます。
Apps Scriptで、自分の処理を組み込む
用意された手順で足りないときは、Apps Scriptで書いた処理を手順として組み込めます。ここはプログラムを書ける人向けです。
仕事ではどう使えそう?
ここからは、公式情報をもとにした、KAKERUデザインとしての見立てです。
「Googleで受けて、別のツールに流す」がつながる
問い合わせフォームはGoogleフォーム、顧客管理はHubSpot、社内の連絡はSlack。こういう会社は多いと思います。これまでは間を人が運んでいたところを、フローでつなげられます。「フォームに回答が来たら、Geminiが要点をまとめて、Slackに知らせて、HubSpotに登録する」といった流れです。
まず、いまの手作業を1つ書き出す
自動化を組む前に、「毎回同じことをしている作業」を1つ決めるのがおすすめです。きっかけは何か、そのあと何をしているか。それがそのまま、フローの「きっかけ」と「手順」になります。
管理者に頼むときの言い方
今回の機能は初期設定がオフです。管理者に頼むときは、「Workspace Studioの外部サービス連携をオンにしてほしい」ではなく、「フォームの回答をSlackに流したいので、Workspace StudioでSlack連携を使えるようにしてほしい」のように、やりたいことから伝えるほうが通りやすいと思います。

自動化は「作れるか」より「管理者に説明できるか」で止まることが多いので、やりたい仕事から話すのが近道だと思っています。
誰が使える?
| 項目 | 公式情報の内容 |
|---|---|
| 対象のプラン | Business Starter・Standard・Plus、Enterprise Standard・Plus、Education Fundamentals・Standard・Plus など |
| 管理者の設定 | 管理コンソール > アプリ > Google Workspace > Workspace Studio。カスタムの手順・外部連携・Webhookは、それぞれ初期設定がオフ |
| 提供時期 | 管理者向け設定:9月17日から。利用者向け:9月21日(Rapid)/9月30日(Scheduled)から順次 |
| Webhookの送り先の制限 | Business Plus以上 |
| 使う場所 | studio.workspace.google.com(パソコンのブラウザ) |
公式ヘルプによると、個人のGoogleアカウントでWorkspace Studioを使うには、Google Workspaceの試験的な機能への参加が必要です。会社のアカウントで使うのが基本です。
注意点
外部サービス連携は「ベータ」
8つのサービスとの連携は、ベータとして提供されます。仕様が変わったり、うまく動かない場面があったりする前提で、まずは失敗しても困らない作業から試すのが安全です。
外につなぐということは、データが外に出るということ
Webhookや外部連携は、Googleの中にあったデータを外のサービスに送ります。どのデータをどこに送るのか、会社のルールに合っているかを、管理者と確認してから使ってください。管理者側で送り先を制限したり、承認を必要にしたりする設定が用意されているのは、そのためです。
日本語の画面名は確認できていない
この記事のメニュー名は、公式ブログ(英語)の表記をもとに訳したものです。日本語の管理コンソールでの表示名は、確認できていません。
まとめ
Workspace Studioのフローに、自分で作ったきっかけと手順、外部サービス(8つ・ベータ)、Webhookが加わります。これまでGoogleの中で閉じていた自動化が、SlackやHubSpotのような外のツールとつながります。
ただし、どれも初期設定はオフで、管理者が有効にしてからです。利用者向けの提供は9月21日から順次なので、まずは「毎回同じことをしている作業」を1つ書き出しておき、管理者にはやりたい仕事から伝えるのがよさそうです。
参考・情報源
- Google Workspace Updates「Automate workflows with custom starters and steps, third-party integrations, and webhooks in Workspace Studio」(2026年9月17日)
http://workspaceupdates.googleblog.com/2026/09/automate-workflows-with-custom-starters-and-steps-third-party-integrations-and-webhooks-in-Workspace-Studio.html
※4つの追加の内容、8つの連携先、初期設定がオフである点、管理コンソールの場所、提供時期、対象プラン、Webhookの制限がBusiness Plus以上である点の根拠です。 - Google Workspace Updates「Now available: Create AI agents to automate work with Google Workspace Studio」(2025年12月3日)
https://workspaceupdates.googleblog.com/2025/12/workspace-studio.html
※Workspace Studioの定義、言葉で伝えるとGeminiが組み立てる点、URLの根拠です。 - Workspace Studio ヘルプ「Get started with Google Workspace Studio」
https://support.google.com/workspace-studio/answer/16444479?hl=en
※きっかけと手順の考え方、つながるGoogleのサービス、個人アカウントの条件の根拠です。
※記事の内容は2026年9月20日時点で確認できたものです。機能や提供条件は変わることがあるため、実際に使うときは公式の案内をご確認ください。



















「メールが来たらSlackに知らせる」みたいな、いかにもありそうな自動化が、Googleの中だけで組めるようになるのは大きいですね。ただ管理者がオンにしないと始まらないのが、会社あるあるです。