OpenAIのニュースを追っていると、新しいモデルの名前がいくつも出てきて「結局どれを使えばいいの?」と迷うことはありませんか。GPT-6の世代では、Astra(アストラ)・Sol(ソル)・Luna(ルナ)と名前の違うモデルが3つあります。
2026年9月29日、OpenAIはSolの新しい版「GPT-6.1 Sol」を発表しました。さらに10月2日には、GPT-6の3つのモデルをどう使い分けるかをまとめた「GPT-6 ファミリーのモデルガイド」を公開しています。
この記事では、この2つの公式ページで確認できたことだけを使って、GPT-6.1 Solで何が変わったのか、どこで使えるのか、3つのモデルを仕事の中でどう選べばよいのかを整理します。
何が発表された?
9月29日の発表文(日本語版)の要点です。
- GPT-6.1 Solは、GPT-6 Solのアップグレード版。コードを書く仕事、パソコンの操作、専門的な業務に強いとされている
- 難しい仕事での力をGPT-6 Astraに近づけながら、標準の入力・出力の料金はAstraの5分の1に抑えた
- それでも、総合的な力のいちばん上は、引き続きGPT-6 Astraだと明記されている
- ChatGPTでは、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduのユーザーが、ChatGPT WorkとCodexで使える。ふだんの「Chat」では、まだ使えない
- APIでは「gpt-6.1-sol」という名前で使える。100万トークンあたり入力2ドル・キャッシュ済み入力0.10ドル・出力10ドル
- 同時に、より速く答えるGPT-6 Astra UltrafastとGPT-6.1 Sol Ultrafastも提供開始。APIと、新しく用意された月額500ドルのProで使える
10月2日のモデルガイドは、新しい機能の発表ではなく、GPT-6の3つのモデルと「考える量」「速さ」の選び方を、仕事の種類ごとに説明したものです。
これまでと何が違う?
一番の違いは、「高い力が要る仕事=Astra」という選び方が変わったことです。発表文では、実際の開発の課題を使う評価(DeepSWE v1.1)で、GPT-6.1 SolがAstraとほぼ同じ結果を、約5分の1の費用で出したと書かれています。
もとのGPT-6 Solと比べても、伸びが示されています。同じDeepSWE v1.1では、GPT-6 Solの最高スコアを6.4ポイント上回り、しかも考える量と費用は少なかったとされています。パソコン操作の評価(OSWorld 2.0)では、考える量を最大にしたときにGPT-6 Solを7ポイント上回りました。
事実の誤りも減っています。誤りを起こしやすい難しい質問を集めた評価で、誤りを含む回答の割合が、GPT-6 Solの4.5%から4.1%に下がりました(Astraは4.0%)。ただし発表文は、これはわざと難しい質問を選んだもので、ふだんの使い方を表す数字ではない、とも書いています。
何ができるようになった?
発表文に出てくる主な数字と、使える場所を図にまとめました。

込み入ったPDFを読んで答える
表・グラフ・図・小さな文字が入った専門的なPDFに答える評価(GDP.pdf)で、GPT-6.1 Solは、AnthropicのClaude Opus 5.5(発表文の表記では「フォールバックを使う」条件)より高いスコアを、半分未満の費用で出したとされています。金融・医療・法務など10分野の実務のPDFが使われています。
仕事の流れを最後までこなす
営業・マーケティング・サポート・人事など6分野・47の道具を使って業務を最後まで進める評価(AutomationBench)では、考える量を「中」にしたGPT-6.1 Solが、約3分の1の費用でOpus 5.5を2.2ポイント上回ったと書かれています。
長く続く作業を、途中で直しながら進める
モデルガイドによると、GPT-6の世代は数時間から数日続く作業に取り組めるようになりました。APIでは、作業の途中で修正の指示を送ったり、時間のかかる処理を待つ間に別の作業を進めたりできます。GPT-6.1 Solは、独立した作業を別のエージェントに分けて任せる仕組み(現在はベータ版)にも対応しています。

数字はどれもOpenAIが出したもので、比べられているClaudeのほうの条件も発表文の注記どおりです。自分の仕事の資料で、Claudeと並べて試してみたいです。
仕事ではどう使えそう?
ここからは、公式情報をもとにした、KAKERUデザインとしての見立てです。モデルガイドの選び方を、ふだんの仕事の場面に置きかえてみます。

請求書や問い合わせの仕分けは、Lunaで十分
モデルガイドは、請求書の項目の抜き出し、問い合わせの分類、決まった形の要約のような「目的がはっきりした作業を大量に」こなす仕事にはLunaを、と書いています。たとえば、毎月届く請求書から日付と金額を表にまとめる作業や、Webサイトの問い合わせを「見積もり」「採用」「その他」に分ける作業がこれにあたります。いちばん強いモデルを使う必要はありません。
Webサイトの改修やデータの調べものは、6.1 Solから
複雑なコーディング・調査・パソコン操作はGPT-6.1 Solが中心です。Webサイトの古い部分の書き直しの下書きや、競合のサイトの調べものなど、手順が多く判断も混じる仕事は、まずSolで試し、足りなければAstraに上げる、という順番が考えやすくなりました。
「考える量」は、低から始めて必要なら上げる
APIでは、モデルが考える量を「低・中・高・超高/マックス」から選べます。ガイドは、事実の抜き出しや小さな修正は「低」、計画や比較は「中」、難しい不具合や深い分析は「高」とし、「超高」は時間と費用に見合う改善があるときだけ続けるように、と書いています。Codexでも、そのモデルの標準から始めて、簡単な作業では下げ、深い分析では上げるよう勧めています。
AIに任せる範囲を、先に文章で決めておく
ガイドには、AIが自分で決めてよいことと、人に確かめるべきことを、はっきり書いて渡すようにとあります。例として「要約の構成はモデルに任せても、プロジェクトの範囲を変える前には確認させる」が挙げられています。「必ず確認する」と一律に書くより、境目を具体的に書くほうがよい、という考え方です。
KAKERUならこう使う/使わない
KAKERUとして線を引くなら、このガイドの「仕事の重さでモデルを選ぶ」「任せる範囲を先に書く」という考え方は、使っているAIがChatGPTでもClaudeでも取り入れます。どの作業を軽いモデルに回し、どこで人が判断するかを先に決めておくと、費用と確認の手間の両方が読みやすくなるからです。
反対に、発表の比較の数字だけで、いま使っているAIからの乗り換えは決めません。また、ふだんの「Chat」ではまだ使えないので、ChatGPTを会話だけで使っている人が、急いでプランや使い方を変える理由にはなりません。お客様に関わる文章やデザインを外に出す前の確認は、どのモデルを使っても人がします。

いちばん高いモデルを選んでおけば安心、という考え方から、仕事ごとに軽い・重いを分ける考え方へ。これはAIに限らず、外注の振り分けと同じだと感じました。
誰が使える?
- ChatGPT:Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduのユーザーが、ChatGPT WorkとCodexで使える。ふだんの「Chat」では、まだ使えない
- API:開発者は「gpt-6.1-sol」として使える
- Ultrafast(Astra UltrafastとSol Ultrafast):APIと、新しい月額500ドルのProのユーザーがChatGPT WorkとCodexで使える
無料プランで使えるかどうか、「Chat」でいつから使えるようになるかは、発表文に記載がありませんでした。
注意点
「Chat」と「ChatGPT Work」は別の場所
発表文は、GPT-6.1 Solを含むこれらのモデルは「Chat」ではまだ使えない、と書いています。ふだんの会話の画面でモデル名を探しても見つからないときは、ChatGPT WorkかCodexで使うものだと考えてください。
数字はOpenAIの発表に書かれたもの
評価の数字はOpenAIの研究環境やAPIで測ったもので、発表文自身が、ChatGPTの本番とは出力が多少ちがう場合がある、と注記しています。他社のモデルの数字は、公開されている報告から引用したものです。
料金は、キャッシュと書き込みも含めて見る
キャッシュ済みの入力は標準の入力より95%安くなります。ただしガイドは、全体の費用を見積もるときは、キャッシュへの書き込みや、長い文章に適用される料金も含めるように、と書いています。APIで使う会社は、成功した作業1件あたりの費用で比べるのが確かです。
まとめ
- 2026年9月29日、OpenAIがGPT-6.1 Solを発表。Astraに近い力を、Astraの5分の1の標準料金で
- ChatGPTではPlus以上のユーザーがChatGPT WorkとCodexで使える。ふだんの「Chat」ではまだ使えない
- APIは100万トークンあたり入力2ドル・キャッシュ済み入力0.10ドル・出力10ドル
- 10月2日のモデルガイドは、Astra=最も難しい仕事、6.1 Sol=込み入った仕事、Luna=はっきりした作業を大量にという使い分けを示した
- KAKERUなら、仕事の重さで選ぶ考え方と任せる範囲の書き方は取り入れる。数字だけで乗り換えは決めない
いまできることは、自分の仕事を「大量の決まった作業」「手順の多い作業」「本当に難しい作業」の3つに分けてみることです。どのAIを使っていても、その分け方がモデル選びの土台になります。
参考・情報源
- OpenAI「GPT-6.1 Sol のご紹介」(2026年9月29日)
https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-6-1-sol/
※性能の数字・料金・提供状況・Ultrafast - OpenAI「GPT-6 ファミリーのモデルガイド」(2026年10月2日)
https://openai.com/ja-JP/index/practical-guide-building-gpt-6/
※モデル・推論レベル・速さの選び方、指示の書き方
確認日:2026年10月3日。機能や提供状況は変わることがあります。最新の情報は公式ページでご確認ください。
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新しいモデルが出るたびに「一番強いのはどれ?」と考えがちですが、今回OpenAI自身が出したのは「仕事の重さで選んでください」というガイドでした。そこがいちばん面白いところだと思います。