Claudeで企画書を作ったら、ここまでできた|デザイン判断をSkill化して資料作成

Claudeで企画書を作ったら、ここまでできた|デザイン判断をSkill化して資料作成

Claudeに文章を書かせたり、企画を整理させたりしている人は増えてきました。
では、そのまま会社に提出できるレベルの企画書まで作れるのか
KAKERUデザインでも実際に試しています。

ただ、今回は「Claude、企画書作って」と丸投げしたわけではありません
普段デザインするときに使っている判断基準をSkillとしてまとめ、それを読ませたうえで作らせています。

この記事では、その完成物と、そこにたどり着くまでに気づいたことを書きます。

※本記事で使用しているブランド名・企画内容・数値・実績は、資料制作サンプルとして作成した架空のものです。

今回作ったのは「架空のハロウィンSNS企画書」

制作にあたり、企画書の設定を、以下のように考えました。

  • 題材:架空のペットライフブランド「MOCOMORE(モコモア)」のSNSキャンペーン企画書
  • 企画名:「うちの子モンスターハロウィン2026」
  • 企画内容:愛猫・愛犬のハロウィン仮装動画をTikTokで募集し、応募動画からブランドオリジナルのWEB CMを制作する、参加型キャンペーン
  • メインコピー:「あなたの“うちの子”が、ハロウィンWEB CMに!?」

まずは完成した企画書を見てください。

表紙。写真をポラロイド風に傾けて重ねています

全9ページで、目標企画概要参加動機応募からCM公開までの流れ集客設計広告予算と景品KPIまとめまでを一通り整理しています。社内会議にそのまま持っていける粒度を狙いました。

全9ページ。ページごとにレイアウトを変えています。

MOCOMORE企画書サンプル 全9ページ一覧

次の章からは、このかたちにたどり着くまでの、試行錯誤の記録です。

Claudeだけでも資料は作れる。でも少し気になる

トミー

正直、最初は「Claudeだけでもいけるんじゃない?」と思っていました。

構成を考えたり、文章を整理したりする力がかなり高いためです。企画の骨組みを相談すると、こちらが忘れていた観点まで拾ってくれます。
ただ、何度か資料を作らせているうちに、デザイナーとして気になる部分が出てきました

何度か作って気になったこと

①全部のページが似たレイアウトになりがち
見出しがあって、その下に本文か箇条書きが並ぶ。内容は正しいのに、9ページ並べると単調に見えます。

②重要な情報と補足情報の差が弱い
本来なら一目で飛び込んでくるべき数字が、他の文章と同じ大きさで置かれてしまう。

③比較やフローも、文章で説明されていることが多い
図にすれば一瞬で伝わる内容が文章になっており、余白も詰まりがちです。

文章だけだと伝わりにくいので、9ページを並べてみます。
上がデザインの判断を入れていない状態、下がSkillを使った状態です。テキストの内容はどちらも同じです。

上下とも同じ9ページ。テキストの内容は一字も変えていません。なお Before は比較のためにこちらで作成した再現例です。

Before/After 各9ページの比較。上がデザイン判断なし、下がSkillあり

上は、どのページも同じ型で並んでいます。内容は間違っていないのに、どこが山場なのか、どのページを一番見てほしいのかが伝わってきません。

1ページだけ拡大してみます。「今回の目的」のページです。

同じ内容から、デザインの判断だけを抜いた状態。なお、この1枚は比較のためにこちらで作成した再現例です。

デザイン判断を抜いたGOALページ(Before)

目標である「1,250人 → 2,000人」も、差分の「750人」も、他の5行とまったく同じ大きさで並んでいます。読めば分かるのですが、読まないと分からない。資料としては、ここが一番もったいないところです。

トミー

誤解のないように書いておくと、これは「Claudeがダメ」という話ではありません。
指示していないことは、当然そのままにはなりません。
問題は、こちらが何を伝えていなかったのか、という点にありました。

足りなかったのは「デザイン能力」ではなく判断基準

しばらく試して気づいたのは、AIに足りなかったのはデザインの技術そのものではない、ということです。足りなかったのは「何をどう見せるか」を決める判断基準でした。

たとえば今回のGOALページ。フォロワーを1,250人から2,000人に増やす、という目標があります。これを本文に書いてしまえば、それはただの一文です。でも読み手が本当に知りたいのは、現在値でも目標値でもなく「あと何人足りないのか」。だから「+750」をページの中で最も大きく見せました。

先ほどのページを、判断を入れて組み直すとこうなります。

GOALページ。差分の「+750」を最大に置きました。

GOALページ フォロワー目標を大きく見せる

参加動機のページなら、一般的なプレゼント企画と今回のWEB CM出演企画を、左右で並べて比較する。文章で「こちらの方が優れています」と説明するより、同じ形式で並べて違いだけを浮かび上がらせたほうが、読み手が理解しやすい。

応募からCM公開までの流れなら、募集 → 投稿 → 公式紹介 → CM制作 → 公開 → 再拡散という順序を、文章ではなく横一列のタイムラインにする。順番そのものが情報なので、順番が見える形にしたほうがいい。

KPIのページなら、最重要KPIと補助KPIを同じ強さで並べない。すべて同じ大きさのカードに入れてしまうと、8個も9個も並んだ時点で優先順位が消えます。

トミー

デザインは、飾ることじゃなくて、内容を理解して見せ方を選ぶことなんですよね。ここはデザイナーとして、かなり気になる部分です。

そこで「自分のデザイン判断」をClaude Skillにした

とはいえ、毎回Claudeに「ここは数字を大きく」「ここは余白を取って」「ここは比較レイアウトに」「ここはフロー図に」と細かく指示するのは、正直かなり面倒です。しかも指示の粒度がその日の気分で変わると、資料の質も揺れます。

そこで、僕がWEB・デザイン制作を20年以上やってきた中で自然に使っている判断基準を、Claudeが読める形のルールとして整理しました。情報の優先順位、余白の取り方、文字サイズの段階、視線の流れ、数字の見せ方、比較レイアウトを選ぶ条件、ページごとの強弱の付け方といったものです。

トミー

「便利なプロンプトを作った」のとは少し違います。
社内のデザインルールを文書化して、新しいスタッフに渡す作業に近い。渡す相手がAIになっただけ、という感覚です。

Skillを使うと、ページごとに見せ方を変えてくれる

実際に今回の企画書では、ページの目的ごとにレイアウトが変わっています。
参加動機のページは左右比較。負ける側をグレー、勝つ側をオレンジの枠にして、中央に「VS」を置いています。

比較ページ。同じ形式で並べて、違いだけを見せます。

流れのページは、横方向のタイムライン。
最後の「再拡散」だけを塗りつぶして、どこがゴールなのかを一目で分かるようにしました。

FLOWページ。最後のノードだけ色を変えています。

FLOWページ 横方向タイムライン

KPIのページは、最重要KPIだけを色付きのカードに隔離して、他の8指標は白いグリッドに。
面積と色で1対8の差をつけています。

KPIページ。最重要指標だけを別扱いにしました。

KPIページ 最重要KPIと補助KPI

同じテンプレートに文章を流し込むのではなく、ページの目的によって見せ方を変える。
この差が、9ページ並べたときの読みやすさに効いてきます。

もちろん、AIに任せっぱなしではない

ここは正直に書いておきます。Claudeから出てきた資料をノーチェックで使うことはありません。
文章の細かい言い回し、数字の整合、企画内容そのものの妥当性、事実関係。このあたりは人間が確認する必要があります。
今回も、集客設計の内訳を足したら目標の+750人と合うか、といった計算は自分で確かめました。

トミー

表紙のステッカーが写真に重なっていたので1枚減らしましたし、キャンペーン名が長くて折り返していた箇所は組み直しました。細かいですが、この詰めをやるかどうかで印象は変わります。

「このページはもっと削ったほうがいい」「この言葉は短いほうが強い」「ここは少し遊んでもいい」といった最後の判断は、やはり人間側の仕事です。

それでも資料作成のハードルはかなり下がった

これまでは、企画を整理して、構成を組んで、文章を書いて、レイアウトを決めて、デザインして、直す。この一連を一人で順番に進めていました。

いまはこの工程をClaudeと分担できます。構成と文章の下地を任せて、こちらは判断と仕上げに集中する。作業時間そのものより、「頭の切り替え回数」が減ったことのほうが大きいかもしれません。

さらに、判断基準をSkillとして持たせておくと、毎回ゼロからデザイン指示を考える必要がなくなります。「いつもの基準で」で通じるようになる、という感じです。

今回使ったSkillを、一般向けにも準備しています

今回使用したデザインSkillは、現在KAKERUデザインで一般の方にも使っていただける形に整理しています。

  • 企画の中身はあるけれど資料の形にするのが苦手な方
  • 毎回デザイン指示を考えるのが面倒になってきた方
  • Claudeで資料を作ってみたもののどこかAIっぽく見えてしまう方
  • 社内の企画書を短時間で形にしたい方

には、役に立つ場面があると思います。

お渡ししているのは、ファイルそのものというより「毎回デザイン指示を考えなくても、ファイル記載の判断基準で資料が作れる状態」です。準備が整い次第、あらためてご案内します。

まとめ|AIで「作れる」から、「どう作るか」へ

Claudeによって、資料を作ること自体のハードルはかなり下がりました。文章もレイアウト案も、以前より圧倒的に速く形になります。

その一方で、これから大切になるのは「AIで作れるか」ではなく「AIにどう判断させるか」なのではないかと感じています。何を大きくするか。何を削るか。どこを比較にするか。どこを図解にするか。こうした判断は、これまで経験の中で身につけてきたものでした。それをAIへ渡せるようになると、制作のやり方は思っていた以上に変わります。

トミー

KAKERUデザインでは、実際の仕事でAIを使いながら試しています。うまくいかなかったことも含めて、またこのブログで書いていきます。

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