Claudeに仕事を手伝ってもらうたびに、同じ説明をしていませんか。「このお客様はこういう方で」「前回こう決めて」「このサイズだと投稿できなかったから」。
僕もそうでした。今は、説明し直すことがぐっと減りました。Obsidianというメモアプリに作業の記録を貯めて、Claudeが毎回それを読んでから仕事を始めるようにしたからです。

この記事では、約3か月半続けてきたこのやり方を、設定の手順と、実際に起きたこと、育てるほど出てくる問題まで含めて書きます。
Claudeが前回の作業を覚えていない理由
Obsidianを「第二の脳」にする設定のしかた
記録を「3つの層」に分けている理由
記録が大きくなったときに起きること
Claudeは、会話が変わると前回のことを覚えていない
まず前提です。Claudeは、新しい会話を始めるたびに、まっさらな状態から始まります。前回どれだけ細かく説明していても、その内容は次の会話には引き継がれません。
Claude Code(パソコン上のファイルを読んだり書いたりしながら作業できるClaudeの開発ツール)の公式ドキュメントにも、会話は毎回新しい状態で始まること、そして前回の知識を引き継ぐための仕組みとして「CLAUDE.md」という設定ファイルと「自動メモリ」があることが書かれています。
出典:How Claude remembers your project(Claude Code公式・英語)
つまり、覚えておいてほしいことは、どこかに書いて、毎回読んでもらうしかありません。その「どこか」をObsidianにした、というのがこの記事の話です。
Obsidianを「第二の脳」にした
きっかけは、YouTubeで紹介されていたから
正直に書くと、Obsidianを選んだのは、有名なYouTuberさんがすすめていたからです。
ほかのメモアプリと細かく比べて選んだわけではありません。
ただ、使ってみると、AIと組み合わせるのにとても向いていることが分かりました。
Obsidianが向いている理由:普通のテキストファイルだから
Obsidianは、メモをMarkdown(見出しや箇条書きを記号で書く、シンプルな文書の形式)の普通のテキストファイルとして、パソコンの中のフォルダに保存します。
出典:How Obsidian stores data(Obsidian公式ヘルプ・英語)
これが大事なポイントです。特別なアプリの中にデータが閉じ込められていないので、Claude Codeがそのファイルを直接読んだり、書き足したりできます。人はObsidianで読みやすく見て、AIは同じファイルをそのまま扱う。同じ記録を、人とAIで共有できます。
料金は、基本機能なら無料で使えます(2026年9月時点。仕事で使う場合は任意の商用ライセンスあり)。参考:Obsidian Pricing

実際の運用:記録を「3つの層」に分けている
3か月半使ってきて、今は記録を3つに分けています。ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
| 層 | 中身 | 長さ |
|---|---|---|
| ① CLAUDE.md(設定ファイル) | 「起動したら、第二の脳を読む」という短い指示 | 数行 |
| ② Obsidianの第二の脳 | 作業の経緯、決めたこと、その理由、つまずいたこと | 長い(どんどん育つ) |
| ③ 自動メモリ | 「Instagramは4:5で作る」のような、毎回守る短いルール | 1件1行程度 |
分けている理由は、読む人と、読むタイミングが違うからです。
経緯や理由は、あとから人が読み返したいものです。だから、人が読みやすいObsidianに置きます。一方で「このサイズで作る」「直す前に確認する」のような短いルールは、Claudeが毎回必ず守ってほしいもの。こちらはClaude Code側の自動メモリに短く置きます。
公式ドキュメントでも、CLAUDE.mdは200行以内を目安に短く保つこと、自動メモリは目次の先頭200行(または25KB)だけが起動時に読まれることが説明されています。毎回読まれる場所は、短くしておくのが前提の設計です。

設定のしかた
ここからは、Claude Codeを使う前提の手順です。例として、架空の案件で作ったサンプルの第二の脳を使います。
1. 第二の脳のファイルを作る
Obsidianで保管庫(Vault:メモをまとめて置くフォルダ)を作り、その中に「第二の脳.md」のようなファイルを1つ作ります。中身は最初は空で大丈夫です。形は、たとえばこうしています。
# 第二の脳
## いつも守るルール
- ファイルを直す前に、必ず確認する
## ひだまりベーカリー様|WEBサイトリニューアル
### 決まったこと(2026-09-02)
- 営業時間は、スマホの最初の画面に入れる
- 理由:問い合わせの電話の半分が「今日やってますか?」だったため
### つまずいたこと
- 地図を埋め込むと、スマホで表示が遅くなった
### 次にやること
- [ ] 季節限定パンのページ
※架空のサンプルです。ポイントは、案件ごとに見出しを分け、「決まったこと」には理由も書くことです。理由があると、Claudeが似た場面で同じ考え方をしやすくなります。
2. CLAUDE.mdに「最初に読む」と書く
Claude Codeには、起動するたびに読まれる設定ファイル(CLAUDE.md)があります。すべての作業に共通させたいなら、ホームフォルダの「.claude」の中にあるCLAUDE.md(~/.claude/CLAUDE.md)に書きます。僕が書いているのは、ほぼこれだけです。
# Claude 起動時の自動指示
セッション開始時に必ず以下のファイルを読み込んでください:
(第二の脳ファイルの場所)
このファイルは「第二の脳」です。
過去の作業履歴・仕様・ルールが記載されています。
内容を把握したうえで作業に臨んでください。
最初の頃は、この設定をしていませんでした。毎回「第二の脳を読んで、続きをやろう」と自分で頼んでいました。設定してからは、頼まなくても読んでくれるようになりました。
3. 作業の終わりに「記憶して」と頼む
作業が終わったら、「今日決めたことと、つまずいたことを第二の脳に記憶して」と頼みます。Claudeが見出しを付けて、ファイルに書き足してくれます。
僕は普段「オブに記憶して」と短く頼んでいます。毎回同じ言い方にしておくと、頼むのを忘れにくくなります。

3か月半で起きたこと
前回の続きから、説明なしで始められる
「昨日のブログ記事の続き」と言えば、どの記事で、どこまで決まっていて、何が残っているかが分かった状態から始まります。案件を行き来しても、そのたびに説明し直す手間がぐっと減りました。
一度つまずいたことを、二度説明しなくていい
これがいちばん効いています。たとえば、ここ数日だけでも、こんな記録が残り、次の作業でそのまま使われました。
| つまずいたこと | 記録したルール |
|---|---|
| Instagram用に縦3:4で作ったら、投稿画面で添付できなかった | 縦の画像は1080×1350(4:5)で作る |
| 横長16:9のアイキャッチが、ブログ一覧で切れてタイトルが欠けた | アイキャッチは横3:縦2で作る |
| 確認なしでファイルを直され、どこが変わったか分からなくなった | 直す前に、必ず確認を取る |
人に仕事を頼むときも、同じ注意を何度もするのは疲れますよね。それがなくなるだけで、作業の流れがかなり変わります。
記録は、ここまで育った
ファイルの大きさは、バックアップの日付で追うとこう増えていました。


今までの作業を覚えてくれるから、業務がどんどん大幅に改善されていく感覚がありました。
育てるほど出てくる問題
23万字は、一度には読めない
記録が増えると、別の問題が出てきます。全部を一度に読むことができなくなるのです。
実際、今のClaudeは第二の脳を頭から最後まで読んではいません。見出しを検索して、今回の作業に関係する部分だけを読んでいます。だからこそ、見出しの付け方が大事になります。案件名と日付が見出しに入っていれば、必要な場所をすぐに見つけられます。
ちなみに、CLAUDE.mdには「@ファイルの場所」と書いて、別のファイルを読み込ませる機能もあります。ただ公式ドキュメントによると、読み込ませたファイルは起動時にすべて読まれます。大きく育ったファイルをこの方法で読み込ませるのは、おすすめしません。「必要なときに読む」と指示するほうが向いています。
記録の置き場所を分けていく
見出しは「案件名+日付」にして、検索で見つけやすくする
毎回守る短いルールは、第二の脳ではなく自動メモリやCLAUDE.mdへ
終わった案件や、長くなった案件は、別のファイルに分ける
書き足す前にバックアップを取る(ファイル名に日付を付けて残す)
使うときの注意点
会社やお客様の情報が入ることを前提にする
仕事の記録なので、社名や案件の中身が自然と入ります。ファイルの置き場所、同期するサービス、画面を人に見せるときの扱いには気をつけてください。この記事でも、画面や例はすべて架空のサンプルに置き換えています。
AIが書いた記録も、人が確かめる
記録を書き足すのはClaudeです。便利な反面、間違いがそのまま記録に残ることがあります。
実はこの記事を作っている途中でも、Claudeが第二の脳の大きさを「約41万文字」と説明したことがありました。確かめてみると、それはファイルの容量(バイト数)を文字数と取り違えたもので、正しくは約23万字でした。もっともらしい数字ほど、気づきにくいものです。
AIのもっともらしい間違いについては、判断基準の記事でも書きました。数字・固有名詞・決まったことは、ときどき人の目で見直すことをおすすめします。
まとめ|AIは、記録を渡すほど「育つ」
Claudeは、会話が変わると前回のことを覚えていません。だから、覚えておいてほしいことを書いておく場所を作り、毎回読んでもらう。それだけで、同じ説明をする時間はぐっと減ります。
Obsidianは、メモが普通のテキストファイルとして残るので、人とAIが同じ記録を共有しやすい道具です。そして、記録は3つに分けておくと長く続けられます。短い指示はCLAUDE.mdへ、経緯と理由は第二の脳へ、毎回守るルールは自動メモリへ。
まずは、次の作業の終わりに「今日決めたことを、ファイルに記録して」と頼むところから始めてみてください。数週間後には、説明し直す回数が減っていることに気づくと思います。




















今までの作業を覚えてくれることが、本当に大きかったです。
AIがどんどん賢くなっていく、育てていく感覚がありました。