「Claudeも試したいけど、会社のパソコンではWordとExcelとPowerPointしか使えない」。社内のルールで新しいAIサービスを入れにくい会社では、ありがちな悩みです。
2026年9月22日、MicrosoftはMicrosoft Copilotで、AnthropicのClaude Opus 5.5とOpenAIのGPT-6 Solを選べるようにすると発表しました。対象はWord・Excel・PowerPoint・Chat・Cowork・Copilot Studio。同じ日に発表された2つの新しいモデルが、その日のうちにOfficeの中へ順次入り始めた形です。
この記事では、Microsoftの発表と、Microsoft Learn・Microsoft サポートのページをもとに、何が選べるようになったのか、会社で使うには何が必要か、仕事でどう使い分けるかを整理します。
何が発表された?
2026年9月22日、Microsoft Copilot Blog「More Models, One Copilot」の要点です。
- 2つの新モデル:AnthropicのClaude Opus 5.5と、OpenAIのGPT-6 SolがMicrosoft Copilotに来る。9月22日から順次
- 使える場所:Word・Excel・PowerPoint・Chat・Cowork・Copilot Studio
- 考え方:「1つのモデルがすべての仕事に最適なわけではない」。仕事に合うモデルを選べるように、複数の最新モデルを用意する
- モデルだけでは足りない:良い答えには「モデルが仕事について何を知っているか」も大事。CopilotはWork IQで、組織のファイル・会議・チャット・業務データに基づいて答える
- 使えるかどうか:ライセンス、アクセス、地域によって変わる

Microsoftの説明では、「Microsoft 365 Copilot」は「Microsoft Copilot」という名前に変わっています(セキュリティやプライバシーの扱いは変わらない、とMicrosoft Learnに記載)。この記事でも「Microsoft Copilot」と書きます。
これまでと何が違う?
使う側にとっての違いは3つです。
1. 新しいモデルが、発表の日にOfficeへ
Claude Opus 5.5もGPT-6 Solも、9月22日に発表されたモデルです。Microsoftは同じ日に、Copilotへの順次配信を始めました。新しいモデルを試すために、別のサービスを契約し直さなくていい会社が増えます。
2. 作業ごとに、モデルを選べる
PowerPointのヘルプには、Copilotの編集モードで「自動(Copilotが最適なモデルを選ぶ)」「ChatGPT」「Claude」から選ぶ手順が書かれています。同じ指示でもモデルによって結果が変わるので、比べたいときは切り替えて試せる、とあります。
3. 会社のデータの扱いは、Microsoftの約束の中で
Microsoft Learnによると、AnthropicはMicrosoftの委託先(サブプロセッサー)として動き、Microsoftの製品条項とデータ保護補遺が適用されます。Microsoftの「お客様の著作権に関する約束(CCC)」も、Microsoft CopilotとCopilot Studioで使うAnthropicのモデルに適用される、とされています。

3番は、情報システムの担当者が一番気にするところです。「Claudeを直接契約する」より「今のMicrosoftの契約の中で使う」ほうが、社内で話を通しやすい会社は多いと思います。
会社で使うには、何が必要?
ここがいちばん大事なところです。Microsoft Learnの記載をまとめます。
- Anthropicのモデルは、多くの地域で最初からオン:EU・EFTA・英国を除く商用クラウドの多くの会社では、初期設定で使える状態
- オフになっている会社は、管理者が許可する:Microsoft 365 管理センターで「Copilot → 設定 → すべて表示 → Microsoftのサブプロセッサーとして動くAIプロバイダー」を開き、Anthropicを選んで保存
- 設定できる人:AI管理者か、グローバル管理者の役割を持つ人
- 使う人を絞れる:ユーザーやグループ単位で、Anthropicのモデルを使える人を決められる
- PowerPointのモデル切り替え:法人向けのMicrosoft Copilotの契約が必要。企業では、管理者がAnthropicをサブプロセッサーとして有効にしていないと、Claudeは選べない

Fable 5.1のような一部の上位モデルは、別の条件で提供される場合がある、ともMicrosoft Learnに書かれています。今回のOpus 5.5の条件は、Microsoftのロードマップとリリースノートで最新の状況を確認するよう、発表文が案内しています。
仕事ではどう使えそう?
ここからはKAKERUデザインとしての見立てです。
1. 提案書のスライドは、2つのモデルで比べる
PowerPointのCopilotで「この資料から提案書を作って」と頼むとき、ClaudeとChatGPTを切り替えて、両方の案を見比べられます。どちらが自社の書き方に合うかは、実際の資料で比べるのがいちばん早いです。
2. 「どのモデルを使うか」は、最初は自動で
モデル名で迷うなら、まずは「自動」に任せるのが公式の想定です。細かく指定するのは、同じ作業を何度もする中で、特定のモデルのほうが合うと分かってからで十分です。
3. 管理者に頼むときは「やりたい仕事」から
Claudeが選べないときは、管理者の設定が必要です。そのとき「Anthropicをオンにして」だけでなく、「提案書づくりでClaudeを比べたい」のように、使う目的を添えて頼むほうが、社内の判断が早くなります。
4. 社内の資料を知っているのはCopilotの強み
Microsoftが強調しているのは、Work IQで社内のファイルや会議に基づいて答えることです。社外の情報を広く調べるならClaude本体、社内の資料をもとにまとめるならCopilotの中のClaude、という使い分けも考えられます。

4番の使い分けは、これから考えどころになりそうです。同じClaudeでも、どこから呼ぶかで「知っていること」が変わる。道具を選ぶ前に、何を材料に書かせたいかを決めるのが先だと思います。
誰が使える?
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 使える場所 | Word・Excel・PowerPoint・Chat・Cowork・Copilot Studio |
| 配信 | 9月22日から順次。ライセンス・アクセス・地域によって変わる |
| Anthropicのモデル | EU・EFTA・英国を除く商用クラウドの多くで初期設定オン。オフの会社は管理者が許可 |
| 設定する人 | AI管理者、またはグローバル管理者 |
| PowerPointのモデル切り替え | 法人向けのMicrosoft Copilotの契約が必要 |
| モデルの選択 | セッション中だけ。PowerPointを閉じると「自動」に戻る |
個人向けのプランでどこまで使えるかは、今回の発表文には書かれていません。会社のアカウントで使う前提で読んでください。
注意点
- すぐに出てこないことがある:9月22日から順次。ライセンスや地域で差がある
- 管理者の設定次第:Anthropicのモデルがオフの会社では、Claudeは選べない
- 選んだモデルは戻る:PowerPointでは、セッションを閉じると「自動」に戻る
- EU・英国のデータの扱い:Anthropicのモデルは、EUのデータ境界の対象外とMicrosoft Learnに記載。海外拠点がある会社は確認を
- 結果は人が確かめる:モデルによって結果が変わる。数字や固有名詞は、元の資料と照らして確認する

「選んだモデルが自動に戻る」は、知らないと「さっきと答えの雰囲気が違う」と感じる原因になりそうです。比べるときは、毎回モデルを確かめてから頼むのが安全です。
まとめ
- 2026年9月22日、Microsoft CopilotでClaude Opus 5.5とGPT-6 Solが選べるように。順次配信
- Word・Excel・PowerPoint・Chat・Cowork・Copilot Studioで使える
- Anthropicのモデルは多くの地域で初期設定オン。オフなら管理者が許可する
- PowerPointでは「自動/ChatGPT/Claude」を切り替えて比べられる
- 社内の資料をもとにまとめるならCopilotの中のClaude、という使い分けも
「いつものOfficeから、最新のClaudeを選べる」。今回の発表を一言にするとこれです。まずはPowerPointのCopilotで、同じ指示を「自動」と「Claude」で比べてみてください。
参考・情報源
- Microsoft Copilot Blog「More Models, One Copilot」(2026年9月22日)
https://techcommunity.microsoft.com/blog/microsoft-copilot-blog/more-models-one-copilot/4559035
※発表内容・使える場所 - Microsoft Learn「Anthropic models in Microsoft Online Services」
https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/connect-to-ai-subprocessor
※初期設定・管理者の設定・データの扱い - Microsoft Learn「Copilot in Microsoft 365 apps with Anthropic models」
https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/copilot/copilot-anthropic-apps
※Word・Excel・PowerPointでの設定 - Microsoft サポート「Choose your model when editing with Copilot in PowerPoint」
https://support.microsoft.com/en-us/office/choose-your-model-when-editing-with-copilot-in-powerpoint
※モデルの選び方・契約・注意
確認日:2026年9月25日。提供状況は変わることがあります。最新の情報は公式ページでご確認ください。
ふだんの制作の話や、作ったものの裏側は Instagram と X でも出しています。



















KAKERUでは、Claude Opus 5.5の記事をすでに書きました。そのOpus 5.5が、ふだんのWordやPowerPointから選べる。Claudeを「別のサービス」として入れにくい会社には、入口が1つ増えた話だと思います。