Notionに「スキル」が来た。うまい人のAIの頼み方をチームで共有し、Claude CodeやCodexにも持ち出せる

うまい人のAIの頼み方を、チームの「スキル」に。Notion 3.7、2026年9月15日

会社に1人、AIへの頼み方がうまい人がいる。その人のプロンプトは、その人の頭の中か、どこかのチャット履歴にしかない。

2026年9月15日に公開されたNotion 3.7は、この問題への答えとして「スキル」を持ち込みました。スキルとは、AIに「うちのチームではこう働いてほしい」と教える、再利用できる指示のことです。作ったスキルはワークスペースの1か所に集まり、チームの誰でも同じ型で仕事を頼めます。

そしてもう1つ、見過ごせない点があります。Notionで作ったスキルを、SKILL.mdというファイルとして書き出し、Claude CodeやCodex、Cursor、Gemini、Grokに持ち出せることです。この記事では、公式のリリースノートとヘルプ、料金ページをもとに、何が増えたのか、誰が使えるのか、小さな会社にとって何が変わるのかを整理します。

トミー

SKILL.mdは、僕がClaude Code向けに作って売っているスキルと同じ形式です。Notionという「みんなが見る場所」でスキルを管理して、各自のAIに配る。この発想は、うちのやり方の1つ先を行っている気がして、正直うなりました。

何が発表された?

Notionのリリースノート「Notion 3.7: Agent skills for your whole team」の要点です。

  • スキル:AIにチームの働き方を教える再利用できる指示。例として「毎月の事業レビューをチームの様式で作る」「上司と同じ観点で文書を批評する」が挙げられている
  • スキルライブラリ:ワークスペースに1つの置き場。関連するスキルをデータベースに入れ、1つずつでも丸ごとでも共有できる。全員が最新版を使う
  • 作り方:Notion Agentに話して作る。「うちの製品・デザイン・開発の基準で、この機能提案をレビューして」のように頼むと、それがスキルになる。何を作ればいいか分からなければ、Notionが今の仕事から提案する
  • 使い方:Agentのチャットで「/」を打ってスキルを選ぶ。自動で動くようにも設定できる
  • 持ち出し:スキルをSKILL.mdとしてダウンロードし、Claude Code、Codex、Cursor、Gemini、Grokで使う。Notion側で変わるとバッジが付き、最新版を取りに行ける
Notion 3.7のスキルの流れ。作る、ライブラリに置く、/で呼ぶ、SKILL.mdで外へ持ち出す(Claude Code・Codex・Cursor・Gemini・Grok)
スキルの流れ。作る→ライブラリに置く→/で呼ぶ→SKILL.mdで外へ持ち出す

同じリリースには、スキル以外の更新も含まれています。GitHubやAmplitudeなどの外部ツールをAgentに話しかけてつなぐ機能(Business・Enterprise、ベータ)、Custom Agentが会議後の議事メモや宿題の整理を自動でやる機能(Business・Enterprise)、Custom Agentが別のCustom Agentに仕事を振る「サブエージェント」、Notion Agentsのアプリ、モデル選択画面の刷新(Opus 5、GPT-5.6 Sol、Kimi K3などから速さ・賢さ・コストの目印つきで選ぶ)などです。

これまでと何が違う?

うまいプロンプトは、これまで「個人の資産」でした。誰かがいい頼み方を見つけても、共有するにはチャットに貼るか、文書に書いて配るしかなく、更新されると古い版が残る。Notionの言い方を借りれば「1人の頭の中か、ばらばらの文書やチャットに消えていく」状態です。

3.7の違いは3つあります。

  • 置き場が1つになる:スキルライブラリに集まり、探せる。データベースなので、権限も他のNotionページと同じ考え方で管理できる
  • 「呼ぶ」のが簡単:/で選ぶだけ。説明文をしっかり書いておけば、名前を呼ばなくてもAgentが自動で使う、とヘルプに書かれている
  • Notionの外でも同じ型が使える:SKILL.mdで書き出せるので、Notion Agentで作った「うちの型」を、Claude Codeで開発している人やCodexを使っている人にも配れる

3つ目が、この発表で一番大きい点だと考えています。スキルを管理する場所(Notion)と、スキルを使う場所(各自のAI)が分かれた、ということです。

トミー

これまで、うちのスキルはClaude Codeの中だけで完結していました。「Notionで直せば、みんなのClaude Codeにも最新が届く」という形は、チームでAIを使う会社には強い。うちは少人数なので今すぐ必要ではないですが、お客様に提案するときの選択肢が1つ増えました。

何ができるようになった?

ヘルプセンター「Create and manage skills」に書かれている操作を、順に並べます。

  • 作る:ライブラリ→スキルのタブ→「スキルを追加」。または既存のNotionページの「…」→「スキルとして使う」。Notion Agentに話して作ることもできる
  • 置く・共有する:スキルはNotionのページとして保存される。データベースに入れて共有すると、その権限がスキルにも引き継がれる
  • 呼ぶ:Agentのチャットで「/」→スキルを選ぶ。文章を選んでメニューからスキルを当てることもできる
  • 自動で使わせる:データベース内のスキルに具体的な説明文があれば、Agentは名前を呼ばれなくても使う
  • 持ち出す:スキルのページで「…」→「Download to local agents」。SKILL.mdと、共有を許可した添付ファイルが一緒に出る

持ち出し先として公式が挙げているのは、Claude Code、Codex、Cursor、Gemini、Grokの5つです。Claude Codeの場合、スキルはフォルダに置くだけで使えるので、Notionから落としたファイルをそのまま入れる形になります。

仕事ではどう使えそう?

ここからはKAKERUデザインとしての見立てです。Notionを使っている会社と、使っていない会社で分けて考えます。

1. 「あの人の頼み方」を、辞めても残る形にする

小さな会社ほど、AIをうまく使える人が1人に偏ります。その人が「見積もりの説明文はこう頼むといい」と見つけた頼み方を、スキルにしてライブラリに置いておけば、異動や退職で消えません。公式の例にある「上司と同じ観点で文書を批評する」は、まさに「あの人だったらどう見るか」を型にする使い方です。

2. 月次のレポートを、毎回同じ様式で

公式の1つ目の例が「毎月の事業レビューをチームの様式で作る」でした。毎月、担当が違う人でも、同じスキルを/で呼べば、見出しの順番と数字の置き方がそろいます。会議で「先月と形式が違う」と言われる回数が減る、というのが一番分かりやすい効果です。

3. 新人の初日にやることを、スキルで渡す

公式の作り方の例に「うちの端末とアプリの方針で、新人のセットアップ手順を作る」があります。新人向けの案内は、作った人の異動で更新が止まりやすい文書の代表です。方針が変わったらスキルを直せば、次に呼んだ人には新しい手順が出ます。

4. Notionで管理し、Claude Codeで使う

うちのように、資料作りにClaude Codeのスキルを使っている会社にとって、今回の持ち出し機能は「スキルの管理場所をNotionにできる」という意味です。デザインの判断基準(色、余白、言い回しのルール)をNotionのページとして持ち、更新したらSKILL.mdを落とし直す。判断基準を人が読める場所に置いておけるので、AIに渡している内容をチームで確認しやすくなります。

5. Notionを使っていない会社は?

正直に言うと、Notionを日常的に使っていない会社が、スキルのためだけにNotionを入れる理由は薄いと思います。スキルという考え方そのものは、Claude CodeでもCodexでも単体で使えます。今回の価値は「チームで共有し、最新版をそろえる」部分なので、すでにNotionが社内の置き場になっている会社ほど効きます。

トミー

うちのスキルは、色や余白のルールをファイルに書いてClaude Codeに渡しています。それをNotionのページとして管理して、変えたら落とし直す。この運用は試してみたいです。1人でも「判断基準がどこにあるか」がはっきりするので。

誰が使える?

確認できた公式の記載をまとめます。

Notion 3.7で増えたものと誰が使えるか。スキルは対象プランの記載なし、外部ツール連携と会議後の自動化はBusiness・Enterprise、Free・PlusのAgentは限定トライアル
3.7で増えたものと、誰が使えるか(公式の記載)

スキル単体が「どのプランから使えるか」は、リリースノートにもヘルプにも書かれていませんでした。FreeやPlusで試す場合は、Notion Agentの限定トライアルの範囲で動くかを、実際の画面で確かめる必要があります。

注意点

  • スキルの対象プランは未記載:FreeやPlusで使えるかは、公式の記載では確認できなかった。画面で確かめる
  • 外部ツールの接続はベータ:GitHubなどとつなぐ機能はBusiness・Enterprise向けのベータ。接続先で何かを変える前に確認が入る、と公式に書かれている
  • 持ち出したスキルは自動では更新されない:Notion側で変わるとバッジで知らせるが、落とし直すのは自分。古い版が手元に残る
  • 添付ファイルは「共有を許可したもの」だけ出る:スキルに付けた資料が、持ち出し先に必ず付いてくるわけではない
  • スキルの質は、書いた人の判断基準の質:「上司の観点で批評」を作るには、その観点を言葉にできている必要がある。ここはAIが埋めてくれない
トミー

最後の点が、いちばん大事だと思っています。スキルは「判断基準を言葉にしたもの」なので、言葉にできていないことはスキルにならない。道具が良くなるほど、この差が出ます。

まとめ

  • 2026年9月15日、Notion 3.7で「スキル」が登場。AIへの頼み方をチームの型として共有できる
  • スキルはライブラリに集まり、/で呼ぶ。説明文があれば自動でも使われる
  • SKILL.mdとして書き出し、Claude Code・Codex・Cursor・Gemini・Grokに持ち出せる
  • Notion AgentはBusiness以上がフル、Free・Plusは限定トライアル。スキル単体の対象プランは未記載
  • 効くのは、すでにNotionが社内の置き場になっている会社。1人の会社でも「判断基準の置き場」として使える

「うまい人の頼み方を、チームの型にする」。この考え方は、Notionを使うかどうかに関係なく、AIを仕事に使う会社に必要になっていきます。Notionは、それを置く場所と配る仕組みを用意した、という発表です。

参考・情報源

確認日:2026年9月22日。提供状況や対象プランは変わることがあります。最新の情報は公式ページでご確認ください。

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